介護離職のむずかしさ 2/2
介護離職が増えると、
社会に大きなデメリットが生じます。
それでも介護離職を選ぶ人がいる要因は、
①情報の不足、偏り
②社会や周囲の理解不足、不当な評価
などが考えられます。
また、
③介護者自身の生活への不安
もあるのではないでしょうか。
親に介護が必要な年代になって、
非正規雇用など不安定な就労状況だったり、
あるいは多忙過ぎて疲れを感じていたりすることも
あるかもしれません。
それらの不安や負担から、
介護をきっかけに仕事を離れることを
選ぶことも考えられます。
さまざまな理由があるとしても、
私は介護離職をお勧めしません。
介護は育児と違い、終わりがみえないものです。
また日を追うごとに親の状態は悪化していくので
介護の負担は重くなっていきます。
平均的な介護期間は約5年といわれ、
10年以上に及ぶこともあります。
その間、自分自身も年を取ります。
心身の疲弊は想像以上に大きいでしょう。
そして介護を終えたあと。
介護者自身の老後不安が発生します。
介護をしている最中は、
親の年金や預貯金等で生活費が賄えても、
その後はどうなるのか。
中高年になって一定期間社会から離れていた後の
再就職はとても難しいです。
無職の期間が長ければ、自分自身が将来受給できる
年金額も減少しています。
一生大丈夫なだけの相続財産があれば別ですが、
このようなリスクを考えたうえで
慎重に決めなくてはいけません。
しかし介護離職をするとき、
約半数が誰にも相談せずに決断したという
調査結果があります。
家族の最期に寄り添いたいという気持ちは大切です。
その気持ちと、
自分のこれからの暮らしをよく考えて、
介護サービスや周囲の力を上手に借りる方法があることを
知ってほしいと思います。