介護離職のむずかしさ 1/2
働く女性は増えていますね。
女性の自立や社会進出といった面だけでなく
コロナ禍の前から景気の低迷が続いており、
生活のために働かざるを得ないことも多いでしょう。
暮らしや子どもの教育費のために働き、
ちょっと一息ついたころ親に介護が必要になる、
ということはよくあります。
家族形態が変化し、
兄弟姉妹が減少しているなか
自分しか親を看る人がいないことも。
介護を理由に仕事を辞める「介護離職」。
統計によると年間約10万人が介護離職をしており、
その8割が女性です。
介護保険制度や介護休業制度があっても
なかなか減少していません。
介護離職者が増えると
社会全体として経済状況が悪化し
活力が低下します。
また企業も人手不足のなか人材の損失、
新規雇用にかかる手間や費用負担の増加と
デメリットがあります。
なぜ介護離職を選ぶ人がいるのでしょうか。
それぞれの家族関係や価値観はさまざまだと思いますが、
以下のような要因も考えられます。
①情報の不足、偏り
自分自身が直面するまで、
介護のことを気に留めていないことがほとんどでしょう。
親はいつまでも元気だと思いがちです。
いざ状況が変わったとき、
施設や介護サービスは多額な費用がかかる、
施設で職員から虐待を受けるなど、
マスコミからの一方的な情報を真に受けることもあるようです。
今はいろいろな介護サービスがあるのですが、
多くの人がイメージする介護は一世代前の姿のようです。
自分の親世代が、祖父母を自宅で介護していた頃。
今では状況は大きく違っています。
②社会や周囲の理解不足、不当な評価
「親の面倒は、子どもがみるのが当然」
「施設に入れると、かわいそう」
「家庭のことで、職場に迷惑をかけるな」
などと言う人は、
今でもやっぱりいるでしょう。
また自分自身も他人の介護に対して、
そのように考えていたと気付くことがあるかもしれません。
人はだれでも年を取ります。
超高齢社会である日本では
介護は個人の問題でなく、
社会全体の取り組んでいかなくては
いけない状況となっています。