老後はいつやってくるか
2016年に発行された、
という本があります。
当時ずいぶん話題になったので、ご存知の方も多いでしょう。
私もこの本を読んだことがきっかけで、
自分の未来について、
大きく意識が変わりました。
未読に方はぜひ読んでいただきたいのですが、
要約すると、
これからどんどん寿命が延びる
100歳まで生きることは珍しくなくなる
人生を100年と捉えてどう生きていくか
といった内容です。
それまで漠然と「人生80年」と思っていましたが、
そうではない。
高齢者福祉の仕事をしていて
80歳以上でもしっかりした方が増えたなと感じていたのに
自分に引き付けて考えていないことに気付かされました。
医療は大きく進歩しています。
かつては治療法がなかったり後遺症が残るような病気でも
治癒するものが増えてきました。
またips細胞などが実用化されれば、
病気やケガで損なった身体が再生できるでしょう。
まるでSFのような話ですが、
案外近い将来に実現するのではないかと思っています。
「長生きできる」ではなく、
「簡単に死ねなくなる」といってもいいかもしれません。
病気もケガもこれまでよりずっと簡単にラクに治り、
老化に伴う心身の状態変化はきっと少なくなっていきます。
ではいったい、
いつからが「老後」なのでしょうか。
多くの高齢者と接してきて、
年齢だけで判断できないことを知りました。
どれだけお年を召されていても
ちゃんと「今」を生きている。
「今」の自分と、
「今」の社会と向き合い、
「今のくらし」を生きている方がいます。
一方で残念ながら「今」から目を逸らし、
「昔」のことに囚われている方もいます。
それぞれの人生だと思いますが、
私自身のこれからについて考えるとき、
やはりお手本にしたいのは
「今」を生きている先輩方です。
「今」と「未来」に目を向けて生きる限り、
「老後」はやってこないのではないか、
と考えています。