「家」があれば、老後は安心でしょうか 2/3
マイホームが夢、という人は多いでしょう。
安心できる自分だけの空間には、
大きな意味と価値があります。
それを否定する気は全くないのですが、
あくまで「老後の保証」という視点から
私が気付いたことをお伝えしたいと思います。
可能な限り住み慣れた自分の家で暮らし、
心身ともにそれが難しくなったら家を処分して
施設などへ移ることも検討する。
そう考える人は多いと思いますが、
ここで重要なのは
「いつ、誰が」それを決めて実行するかです。
もちろん自分自身でそれができればいいのですが、
実際にはそのときの自分は
心身ともに弱った状態にあるわけです。
住み慣れた自分の家でも、暮らせないほどに。
高齢になると誰しも「気力・体力・判断力」が低下します。
70代後半または80代くらいになって、
自分自身で不動産の処分を行うことは非常に負担が大きいでしょう。
また自分にとって
「最適のタイミングで、最適な相手に、最適な価格」で
不動産を売ることも容易ではありません。
近くに子どもや親戚がいて、
処分の決断や手続きをしてくれればいいのですが、
それは互いに信頼関係があり、
かつ互いの利益が対立しない場合です。
人に頼ると、必ずしも自分が望んだ結果にならないこともあります。
かえって子どもに面倒な手間やお金の負担をかけることも
少なくありません。
自分の家で最期まで暮らしたいという強い思いがある場合は、
それをしっかりと託せる人が必要です。
それがなければ、まだしっかりと気力・体力・判断力があるうちに
自ら決断し行動することが必要になってくると思います。