さいごまで私は私 ~心構えと暮らしの備え~

女性を応援する終活カウンセラーです

「家」があれば、老後は安心でしょうか 1/3

老後のことを考えるとき、

「家」の問題は大きいですね。

 

親の家をどうするか、

または自分自身の将来のために家やマンションを購入したほうがいいか。

高齢になると賃貸住宅を借りるのが難しくなるという不安もあるようです。

 

誰にとっても住むところは必要です。

「住む」ための家は人間の暮らしに不可欠ですが、

それが「老後の保証」になりうるかという視点で

私の考えをお話ししたいと思います。

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まず不動産は、老後の「資産」になるのか。

資産というのは、売却したときに利益がでる価値があるものをいいます。

いくらで買ったかではなく、いくらで売れるかが大切です。

立地が良くて新しい家なら大丈夫ですが、

そうでない場合は簡単に買い手は付かないでしょう。

 

私も成年後見の仕事を通して、

高齢者が住まなくなった家屋や土地の処分をしてきましたが

かなり大変でした。

 

立地が良くない

車が入らない・駐車場がない

家屋が傷んでいるなど、マイナス要件が多いからです。

 

高齢者が自宅に住めなくなって施設に入所するギリギリまで住まれていた家は、

家屋の手入れが不十分なことが多いようです。

 

特にメンテナンスが必要な水回りなどの傷みが激しいことがあり、

売却するときも水回りのリフォームが必要で費用がかかります。

 

むしろ家屋は取り壊して更地にしたほうが

土地の買い手が付くことがあり、

そうなると家屋の取り壊しに多額の費用が。

 

「自分の家土地があれば、いざという時まとまったお金になる」とは限らず、

むしろ出費がかさむだけのこともあるのです。

 

ひと昔前は、不動産の価格は右肩上がりに上昇すると信じられていました。

 

そのため若いときに頑張ってマイホームを手に入れておくことに

意味があったのですが、

今後、不動産の価格が上昇していくことは考えづらいと思います。

 

人口そのものが減少しています。

これから30年後、40年後、

中古物件を購入する若い人たちがどれくらいいるでしょうか。

 

『不動産格差』(長嶋修著)という本に、次のようにありました。

 

これからは不動産の価値が三極化していく。

価値が維持・向上する 10~15%

徐々に低下する     70%

無価値、マイナスになる 15~20%

不動産はどんなものでも持っていれば資産という時代は終わった。

 

いろいろと考えを新たにする必要があると思います。